
主要アルトコイン、イーサリアムにおける第三段階の大型アップデート(ハードフォーク)が一昨日に実施されました。
そのアップデートのことをメトロポリスといいます。
今回はメトロポリスによって何が変わるのか、またイーサリアムの価格にどう影響するかなどについて解説。
今後のイーサリアム投資の参考にどうぞ。
1.イーサリアムについてざっくり解説
イーサリアムは、アルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)のひとつで、単位はETH。
2017年10月17日現在、時価総額はビットコインに次ぐ第2位。
ビットコインと異なり、発行枚数の上限が無く、現在はおよそ9400ETHが発行されています。
イーサリアムには他の仮想通貨だとあまり見られない特徴があり、スマートコントラクトと分散型アプリケーションが有名。
スマートコントラクトとは
わかりやすく言うと、お金に関する全ての契約から書面や捺印などをなくし、契約内容をプログラムによって管理すること。
自動販売機が一番身近な例でしょう。
条件さえ満たせば契約が成立するので、相手の信用が必要がないため詐欺が減少し、コストの削減、第三者の介入を必要としないといったメリットがあります。
これをブロックチェーンを通じて行うことので、取引データが改ざんされる心配がありません。
分散型アプリケーションとは
分散型アプリケーションとは、1つのサーバーに対してネットワークを介して誰でも閲覧したり参加したりできるシステムのこと。
イーサリアムのアプリケーションは常に第三者の目によって監視されているため、セキュリティの面でも安全。
スマートコントラクトに関しても契約内容がブロックチェーン上に記録されるので、誰でもその内容を検閲することができます。
イーサリアムの詳細についてはこちらの記事が参考になります。
2.メトロポリスとは?
メトロポリスとは、第3回目のイーサリアムにおけるアップデートの名称。
イーサリアムには全部で4つのアップデートがあり、9月末に実装されるメトロポリスはその3回目。
4つのアップデートの名称は次の通り。
1.フロンティア
2.ホームステッド
3.メトロポリス
4.セレ二ティ
第1回目のフロンティアはエンジニア向けのテスト版。
2017年9月にはホームステッドが実装され、イーサリアムは分散型アプリケーションを構築。
そして今回のメトロポリスを経て、第4回目のセレニティで従来のProof of work(POW)からProof of stake(POS)への移行が完了する予定。
Proof of work(POW)
マイニング(採掘)に必要な計算量に比例してマイニング報酬が大きくなる仕組み。
多くの報酬を受け取るためには、膨大な電気を消費するためコストがかかるという問題があります。
Proof of stake(POS)
イーサリアムを多く持っている人に多くの報酬が与えられる仕組み。
これによりマイニングによる電力消費量を削減したり、マイニングが特定の人に集中することを防ぐことができるようになります。
ちなみにメトロポリスのアップデートは複雑で多岐にわたるため、1ステップと2ステップに分割して行われる予定。
今回は第1ステップのビザンチウム。
ビザンチウムは、主に匿名性の向上と、マイニング難易度の向上を目的としています。
3.メトロポリスで何が変わるのか
今回のアップデートで変わるところは大きく分けて次の4つ。
スマートコントラクトの簡略化
プログラミング作業とスマートコントラクトが簡易化され、既存のプログラマーへの負担軽減され、マイナーの計算コストが軽減。
イーサリアムをベースとしたアプリやシステムが様々な場所で生まれることが期待できます。
匿名性が向上
「zk-SNARK」、「ゼロ知識証明」方式が実装されることで、トランザクションの匿名性が向上されるとのこと。
これは匿名性の高いコインで有名なZ-CASHと同じ技術が使用されており、より高水準のプライバシー保護が可能になります。。
セキュリティの向上
ハッキング対策としてネットワークのセキュリティが向上します。
自分自身で秘密鍵と結びづいたアドレスを決めることができるとのこと。
マイニング難易度の向上
イーサリアムにおいて、POWからPOSへの移行をスムーズにするためにデフィカルティボムという仕組みが設計されました。
この仕組みによって、マイニングの難易度が向上し、ブロック生成速度が短縮されることが期待されています。
4.私の考察
今後もアップデートが続くことによって、イーサリアムの価値が上昇すると考えられます。
アップデート前は、マイニングがしづらくなることでイーサリアムの価値が下がることが懸念されました。
しかしアップデート後のチャートを見ても、価格が上昇しましたので、今後同様のことが起こるでしょう。