
最近、ビットコインの価格高騰などで盛り上がりを見せている仮想通貨。
日々の値動きが報じられ、投機対象として何かと話題になることが多い仮想通貨ですが、その可能性は投資にとどまりません。
実は、仮想通貨はメディアの形を変えようとしているのです。
今回は広告などにおける、仮想通貨の仕組みを応用した活用例について解説していきます。
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1.記事を書けば仮想通貨がもらえる
優良記事を書くと報酬として仮想通貨がもらえるソーシャルメディアのプラットフォームがあります。
それがSteem。
読者の評価を集めた記事に、報酬として仮想通貨「Steem」が支払われます。
記事の書き手だけではなく、記事を評価したユーザーにも報酬が配分されるため、評価が高い記事を書く人や、評価が高まる記事を発掘した読者が、直接利益を得られるのが特徴。
FacebookやTwitterに代表されるSNSにおいて、投稿しているユーザーではなくプラットフォーム運営企業の株主に利益が渡る、という問題を解決し、SNSに貢献したユーザーに報酬を与える仕組みとして開発されたそう。
最近では国内でもSteemを手本にしたメディアが立ち上がっています。
ベンチャー企業ALISは、読者がいいと思った記事を評価すると、書き手に独自のコイン「ALISトークン」が配布されるほか、良いと認められた記事をいち早く評価した人にもトークンを配布する仕組みを開発しているとのこと。
仮想通貨を使ったICOで4.3億円を調達したことでも話題になりました。
この他、同様な仕組みでゲームメディアを設立する企画も国内で進められているそうです。
2.広告を見るだけで仮想通貨をマイニングできる
インターネット上にあるwebサイトの広告を見るだけで仮想通貨がマイニング(採掘)される、そんな画期的な仕組みが開発されています。
それがCoinhiveというサイト。
Coinhiveを導入したwebサイトを閲覧すると、閲覧者のPCの計算能力を使い、仮想通貨のマイニングが開始。
閲覧者がそのサイトを見ている間は常に仮想通貨がマイニングされているため、長く閲覧されるサイトほど多くの仮想通貨が掘り出され、運営者の利益も高まります。
こうしたことから、動画サイトやオンラインゲームなど、ユーザーの滞在時間が長いメディアに向いているとのこと。
しかし、問題点も存在。
Coinhiveを導入したサイトを閲覧すると、PCにかなりの負担がかります。
初期設定だと、端末の計算能力のほとんどをマイニングに費やしてしまって、サイトにアクセスしただけでスマホがフリーズすることもあるそう。
また、閲覧者に無断で導入できてしまうという点で批判があり、多くの広告ブロッカーがCoinhiveをブロックしているほか、一部のアンチウイルスソフトにもブロックされている状況。
導入サイトも、違法コンテンツを流通させるアングラサイトが多く、発展にはまだまだ課題があるそうです。
これに対して開発チームは、サイト閲覧者が同意した場合のみCoinhiveを起動させる仕組みを必須にするなどの改善策の導入を進めています。
3.私の考察
上記の通り、仮想通貨を使ったメディアのビジネスモデルはまだまだ発展段階。
いくつか課題はあるものの、仮想通貨の普及率次第では多くのメディアで同様の試みが見られるようになるのではないでしょうか。
いずれにせよ、今後の開発サイドの動向は目が離せません。