
仮想通貨を利用した資金調達方法(新規仮想通貨公開・ICO)の案件が少なかった頃は、トークンの価格上昇によるリターンが高確率で得られていた。しかし近頃は、2017~18年にかけての案件の爆発的増加からか、販売価格を割るトークンが多く出現し、それに伴う多くの詐欺も発生している。
そこで、ボストン・カレッジのキャロル経営大学院は、総額120億ドルを調達した4,003件のICOを調査し、複数の時間枠(タイムフレーム)にわたりトークンの価格を追跡して、報告書をまとめた。
トークンは、販売開始価格から仮想通貨取引所に上場後の公開価格まで、平均して179%の増加が見られた。また、60日以内に上場できなかったトークンを買い手の損失と仮定した場合も投資家は米ドルで平均82%の純利益を得ていた。もっとも、ほとんどのトークンは1年も継続して取引されていないため、長期におけるデータが少ない点は、調査の限界としている。
このようにICOは、詐欺のようなリスク面のみならず、期待できる面も大きい。最近では、クロスチェーンの本命「COSMOS」や、独立したブロックチェーンが情報を交換することを可能にするプロトコル「Polkadot」に期待が寄せられている。