最近までインターネット上の仮想通貨「ビットコイン」が8月1日に分裂する可能性が高まっていました。システムの処理能力の改善をめぐる事業者の対立を受け、7月下旬に規格が変更されたが、これを不服とする中国の事業者が新規格を立ち上げる恐れがあるからです。しかし、今回の騒動は避けれても、11月には分裂しかねないという懸念が広まっています。

今回はビットコインの分裂とはどういうことか、また11月にまた危機が再燃する理由についても解説していきます。

1.そもそも分裂とはどういうことか

仮想通貨における分裂するとは、規格が異なる2つのコインができることを意味します。それがなぜ起こるのかを仮想通貨の仕組みとともに説明します。

ビットコインをはじめ、ほとんどの仮想通貨は「誰にいくら送ったか」という送金にまつわる情報(トランザクション)を全参加者が共通の規格に基づいて処理しています。参加者全員がこの共通の規格に基づいて処理することで、二重支払いがない、持っている額以上はそうきんできないといった、通貨としてのルールが保証され、それによってお金としての価値を生み出しています。

この共通の規格とは、仮想通貨そのものを徹底づける重要な要素で、もし規格に変更を加えるならばそれは別の仮想通貨になります。

今回のビットコイン分裂騒動の本質とは、要はこの規格変更の仕方に関する参加者の意見の食い違いなのです。

参加者全員が新しい規格に賛成すれば、問題なく新しい規格に移行できます。しかし、ここで意見が食い違ってしまうと、お互いが異分子として判別されてしまいます。結果、古い規格の者同士、新しい規格の者同士でネットワークが分断されてしまいます。この分裂によりブロックチェーンが二手に分かれてしまいます。このことをフォーク(分離)といいます。

フォークすると、いままでの規格の通貨が残されたまま、新しい規格の通貨が誕生することになります。フォークを発生させたタイミングから、旧規格で動く参加者と新規格で動く参加者とで仮想通貨が2つに分裂します。このように完全に分裂することを、ハードフォークと呼びます。

2.なぜ参加者で意見が食い違うのか

大きな理由としては参加者が急増して、仮想通貨の規格を決めるうえでの合意形成が困難になってきたことが挙げられます。ビットコインの例だと、参加者は、コア開発者、マイナーと呼ばれるビットコインの採掘者、取引所事業者、そしてユーザーが存在します。それぞれの立場によって固有の利害があります。そうすると、必然的に利害が相反します。

8月1日に規格を変更するという懸念も、いままでろくに合意形成を行うことができなかったため、一部の人たちが強引にハードフォークをすると言い出して、参加者間で十分な議論が行われないまま強引にハードフォークしようとしたため、意見が分かれてしまったことにより起きたというのが真相です。

3.新たな分裂の懸念

8月1日の分裂騒動については、今月23日に折衷案による規格変更が採用され一旦は分裂が回避される兆しが見えました。しかし、中国の大手事業者のビットメインは24日に、新規格を現在も断念していないとも受け止められる声明を出し、関係者の間では「新規格の立ち上げを実行するのではないか」との警戒感が強まっています。

今回はひとまず8月の分裂が避けられましたが、ビットコインにまつわる分裂騒動はこれからも再燃が予想されます。規格変更は8月にデータが圧縮され、11月に容量が拡大される予定ですが、不具合防止で不安のある容量拡大には取引所などから慎重な意見が多く、再び騒ぎが持ち上がる可能性が指摘されています。

このようにビットコインを支える社会的な仕組みについては、まだまだ未成熟です。「規格をどうするのか」「どのようにして合意形成を図るのか」といった、基本的な部分から試行錯誤されている状況が続いています。そのため、今後も規格レイヤーでの議論が行われていき、改善が行われていくでしょう。

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